ロルの定理
ロルの定理とは,微分可能な関数で,
$$f(a)=f(b),~~(a \neq b)$$
となるような\(a\),\(b\)があるとき,
$$f'(c)=0$$
となる\(c\)が区間\([a,b]\)内に1つは存在するという定理である.
証明
区間\([a,b]\)における以下の3つの場合分けをして考える.
\begin{align*}
&(1)~ f(x)=\rm{const}\\
&(2)~ f(a)=f(b)\leq f(t)\\
&(3)~ f(a)=f(b)\geq f(t)
\end{align*}
(1)は,任意の\(c\)で\(f'(c)=0\)となる.
(2)は,(2)式を満たす\(t\)が存在するときに,最大値・最小値の定理より,最大値となるような\(c\)が存在する.\(f(x)\)は\(c\)点で微分可能であり,
$$f(c)\geq f(c+\Delta x)$$
であることを考慮すれば,
\begin{align*}
f'(c)=\lim_{\Delta x\to +0} \frac{f(c+\Delta x)-f(c)}{\Delta x}\leq 0\\
f'(c)=\lim_{\Delta x\to -0} \frac{f(c+\Delta x)-f(c)}{\Delta x}\geq 0
\end{align*}
よって,\(f'(c)=0\)となる.
(3)は,(3)式を満たす\(t\)が存在するときに,最大値・最小値の定理より最小値となるような\(c\)が存在する.これも(2)と同様に考えると\(f'(c)=0\)を得る.
よって,ロルの定理が証明された.