定数係数線形微分方程式の基本解
定数係数線形微分方程式の場合,特性方程式というものから基本解を求めて一般解を導出することができる.
特性方程式
定数係数線形微分方程式が,
\begin{align}
a_0 \frac{d^n f(x)}{dx^n} + a_1 \frac{d^{n-1}f(x)}{dx^{n-1}}+\ldots + a_{n-1} \frac{df(x)}{dx} + a_n f(x)=0
\end{align}
で与えられるとき,これに,
$$f(x)=e^{\lambda x}$$
を代入すれば,以下の式を得る.
\begin{align}
a_0 \lambda^n e^{\lambda x}+a_1 \lambda^{n-1} e^{\lambda x} + \ldots + a_{n-1} \lambda e^{\lambda x} + a_n e^{\lambda x}=0
\end{align}
上式を整理して,
\begin{align}
(a_0 \lambda^n+a_1 \lambda^{n-1}+\ldots+a_{n-1}\lambda +a_n) e^{\lambda x} = 0
\end{align}
であるから,任意の\(\lambda\)で上式が成立するためには,
\begin{align}
a_0 \lambda^n+a_1 \lambda^{n-1}+\ldots+a_{n-1}\lambda +a_n= 0
\end{align}
である必要がある.上式のことを定数係数線形微分方程式の「特性方程式」という.
特性方程式の解と基本解
特性方程式の解と定数係数線形微分方程式の基本解について考える.特性方程式の解は,
・実数解
・実数解(重解)
・虚数解
・虚数解(重解)
の4種類が考えられる.これら4種類の解が得られた場合の基本解は以下のようになる.ただし,\(j\)は虚数単位である.
特性方程式の解 | 基本解 |
$$\lambda_i = \alpha$$ | $$f_i(x)=e^{\alpha x}$$ |
$$\lambda_i=\alpha(m\rm重解目)$$ | $$f_i(x)=x^{m-1}e^{\alpha x}$$ |
$$\lambda_{i,i+1}=\alpha \pm j\beta$$ | \begin{align} f_i(x)=e^{\alpha x}\cos{\beta t}\\ f_{i+1}(x)=e^{\alpha x}\sin{\beta t} \end{align} |
$$\lambda_{i,i+1}=\alpha \pm j\beta(m\rm重解目)$$ | \begin{align} f_i(x)=x^{m-1}e^{\alpha x}\cos{\beta t}\\ f_{i+1}(x)=x^{m-1}e^{\alpha x}\sin{\beta t} \end{align} |
上式からすべての基本解を求めれば,定数係数線形微分方程式の一般解が以下のように求められる.ただし,\(n\)は基本解の個数であり,\(C_i\)は初期条件等から決定される任意定数である.
$$f(x)=\sum_{i=1}^{n}C_i f_i(x)$$