線形非同次微分方程式の特殊解

  数学系, 解析学, 微分方程式

線形非同次微分方程式の特殊解

\begin{align}
a_0(x) \frac{d^n f(x)}{dx^n} + a_1(x) \frac{d^{n-1}f(x)}{dx^{n-1}}+\ldots + a_{n-1}(x) \frac{df(x)}{dx} + a_n(x) f(x)=g(x)
\end{align}

非同次微分方程式(非斉次微分方程式ともいう)は,上式のような式のことをいう.この方程式は初期条件や境界条件等に関係なく定まる定数が存在する.そのような解のことを特殊解という.この特殊解は,定数変化法と呼ばれる方法と直接代入法と呼ばれるもので求めることができる.

直接代入法

直接代入法とは,上式の\g(x)\)の形式から解の形式を仮定して,微分方程式に代入して特殊解を求める方法である.

例えば,上式\g(x)\)が\(n\)次の多項式関数であった場合には,以下のように解を仮定する.

$$f(x)=\sum_{k=0}^{n} C_k x^k$$

上式のように仮定した解を与えられた微分方程式に代入することによって,\(C_k\)を求めることによって,特殊解を得る.

また,\(g(x)\)が周期関数(\(\sin{\omega x}\)や\(\cos{\omega x}\))であった場合には,以下のように解を仮定する.

$$f(x)=C \cos{\omega t}+S \sin{\omega t}$$

もしくは,(\(j\)は虚数単位)

$$f(x)=Ae^{j\omega t}$$

のように仮定する.これらのどちらか一方を与えられた微分方程式に代入して,\(C\)と\(S\)もしくは,\(A\)を求めることによって特殊解を得ることができる.

直接代入法を用いると比較的簡単に特殊解を求めることができるが,解の仮定を誤ると誤った特殊解を得る,もしくは,特殊解が求まらないことがある.そのため,\(g(x)\)が複雑な関数である場合には,直接代入法で求めることは難しい.

定数変化法

定数変化法とは,与えられた微分方程式の解を気合で1つ見つけ,その解の任意定数を\(x\)の関数として,微分方程式に代入して特殊解を求める方法である.

例えば,以下のような解が1つ見つけられたとする.

$$f(x)=C_i f_i(x)$$

上式のような解では,任意定数\(C_i\)があるが,これを以下のように\(x\)の関数として扱う.

$$f(x)=C_i(x)f_i(x)$$

上式を与えられた微分方程式に代入して,\(C_i\)についての微分方程式を解くことによって特殊解を求めることができる.

定数変化法を用いれば,ある程度の特殊解が求めることができるが,定数変化法を何回も適用しないと特殊解を得ることができないケースである.

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